Thursday 5 November 2015

RENO 初のソロアルバム『UNIVERSE』リリースインタビュー 「今後の人生に於いても大切なアルバムになりました」

JROCK.tokyo interviewed RENO over his first solo album UNIVERSE, and below is the Japanese report.

RENO UNIVERSE

ViViDのギタリストとして活動を続けてきたRENO。彼が新たな攻撃のための撃鉄を起こした。それが、11月4日に発売となるソロアルバム『UNIVERSE』の発売だ。ViViD解散以降からソロとして様々なアクションを起こし続けてきたRENO(詳細はhttp://jrock.tokyo/interview/25044/)。その動きの一つ目の到達点となったのが、今回のアルバムとも言えようか。11月には、東名阪を舞台にしたツアーも実施。他にも、様々なライブへの登場を予定している。そんなRENOの今の心境を伺った。



“いろんな人たちと音を合わせるのは良い刺激になりますね。これからもセッションは、ソロ活動の一貫としてやり続けていきたいなと思っています”



―この夏、超絶テクニカルベーシストMASAKIさんのソロツアーに参加すれば、これからはいろんなセッション系イベントにも登場。どんどん表現の場を広げていませんか?

今までずっと一つのバンドのみで活動をしてきたこともあり、外の人たちと一緒に音を合わせる経験がなかったせいか、今はすっごい刺激的ですね。
ソロとして活動を始めて以降、サポート出演や、ゲーム音楽の制作話を振っていただいたりなど、これまでの活動では経験の無かった世界が見えてきたと言うか…。とくにMASAKIさんとのツアーは、メンバーのみなさん、僕よりも10以上年上の大御所の方々ばかり。錚々たるメンツの中に加えていただけたことは、すごく刺激的でした。



―みなさん、歴戦の勇者たちですからね。

そうなんです。ViViDではずっとリーダーとしてバンドを引っ張ってきましたし、ソロとしても、自分の意志のもと突き進んでいますけど。MASAKIさんの現場では、初めて一番年下の末っ子な位置に居たこともあって、みなさんについていく形で演奏できたことに楽しさを覚えていました。しかもメンバーの方々が、僕自身をすごく自由なポジションに置いてくれたこともあって、自分自身もいろんな引き出しを出したり加えながら演奏できたように、あの経験は本当に刺激満載でした。


―かなり自分の感性を磨かれる経験になったんですね。

磨かれましたね。嬉しかったのが、MASAKIさんに「サポートではなくゲストとして迎えてるんだから自由に演奏していいよ」と言ってもらえたことなんです。しかも「どんどんアドリブを噛ましてくれ」と言うから、良い緊張感の中、超絶テクニックを持って弾きまくってきました(笑)。


―インプロビゼーション中心で楽しめるって良いですよね。

そうなんです。ライブ中も、一人がソロを始めたら、それを各メンバーでまわしていけば、その日によって演奏もぜんぜん変わるんですね。自分にソロ演奏がまわってきたときも、いきなり全開で速弾きしながら始めるのではなく、ちょっと溜めて…トーンを絞りながら静かめに始めると、演奏全体も、その空気に合わせ静かになっていく。自分の感情がどんどん盛り上がり、ゲインも上がりだし、フルテンでドーンと弾けたときには、演奏も一緒に弾けてゆく。それが気持ち良くって。あのセッションはとても刺激的な良い経験になりました。


―11月14日にも、初台ドアーズで錚々たるメンバーが登場するセッション大会「東上線沿線の会vol.18~音ドン、弾けメン歌合戦!~」に出ます。

MASAKIさんやそうる透さんなど、すごいメンバーばかりですからね。あの日は、参加ミュージシャンが3つのバンドに分かれてセッションをするんですけど。僕はJanne Da ArcのShijiさんらと一緒に演奏をする予定です。


―RENOさん自身、これまでセッション経験は?

事務所内でのセッションバンド経験はありますけど、外に出ての経験はソロになってからになります。やはり、いろんな人たちと音を合わせるのは良い刺激になりますね。これからもセッションは、ソロ活動の一貫としてやり続けていきたいなと思っています。



“ViViDが好きで聞いてた人たちがスーッと入り込み、楽しんでもらえる。そうやって違和感無く聞けるアルバムにしたかったんです”



―ViViD解散後、いち早くソロとして活動をスタート。今後もソロギタリストとして活動を続けていく予定ですか!?。それとも、新たなバンドの結成などの予定は無いのでしょうか?

バンド解散後、一人のギタリストとして自分を見つめ直す活動の一貫の中、今回1stアルバム『UNIVERSE』を作りあげることが出来ました。この作品を作ったことで、自分としてはようやくスタートラインに立てたというか…。それもあって、この記事を目にする頃には情報も提示されてると思いますが、一般応募も含め、大々的にヴォーカルオーディションを行います。


―えっ、それ気になります!

自分のソロ活動はライフワークとして死ぬまで続けていくこと。ソロ活動は自分の原点というか、自分が音楽活動を続けていくうえで戻ってこれる場所。そのホームを、まずはアルバム『UNIVERSE』を通して作りたかったんですよ。それがあればこそ、新たに自信を持って攻めていける。そのための新しいアクションとして、ヴォーカルとギターによるユニットを結成し、ふたたびメジャーを舞台に活動しようと思っています。


―なるほど。これから様々な展開を描き出すうえでも、最初にソロとして活動を行うのは、RENOさんにとって必然としてあったことなんですね。

そうなんです。ソロアルバムを出すことで、自分の揺るがない音楽的な土壌を築くのはとても大切なこと。そのために6月4日に行ったワンマンライブを皮切りに、11月に発売する1stアルバムの『UNIVERSE』と、この作品を手にした東名阪ワンマンツアーまでの流れを最初に描きました。


―アルバム『UNIVERSE』に収録したのは、すべてギターを軸に据えたインストナンバー。とはいえ、十分にRENOさんのギターが歌っています。

そこが、自分の中での大きなテーマでした。ギタリストが制作するソロアルバムというと、どうしても「テクニカルなフレーズを詰め込むマニアックな作品」という印象を持たれるじゃないですか。もちろん、「マニアックな演奏を詰め込んだ作品を作れ」と言われれば作れるんですけど。僕の場合、もともと「歌物が好きでメロディを大事にしてきた」ように、自分がギターアルバムを作るうえでも、「ヴォーカルが入っても歌える楽曲」たちを詰め込みたかったんですね。同時に、ギター好きな人たちのみならず、世代を超えた幅広い人たちに親しみを覚えてもらえる表現も求めていきたかったんです。


―確かにViViDが好きで聞いてた人たちが、いきなり「えっ、歌が入ってないの??」と違和感覚えたとしても、聞けばスーッと入り込み、楽しんでもらえる作品にもなっていますからね。

そうやって、違和感無く聞けるようにしたかったんです。


―6月4日に行った1stワンマンライブのときのお客さんたちは、どういう反応を示していたのでしょうか??。やはり未知なるスタイルということで身構えてました?

どちらかと言うと、身構えてたのは自分でした(笑)。自分のほうが変な緊張感を持って身構えてたと言いますか。実際にライブを始めたら、むしろファンの方々のほうが、初めて聞く曲がほとんどにも関わらず、身体を揺らし楽しんでくれていた。それを見て、自分の自信に繋がったのも確かなことなんです。


「『Collision of Universe』を機軸にソロとして活動の幅を広げていきたい」と思っていたからこそ、アルバム『UNIVERSE』でもこの曲で締めくくったように、僕にとっても深い想いを持った楽曲になっています。



―アルバム『UNIVERSE』に収録した曲たちは、どれもスーッと耳心地好く身体や気持ちへ溶け込んでゆく歌ばかりですよね。

自然と身体がノッていくようなね。


―同時に、どの楽曲も包み込むような大きさを感じると言いますか。そこにはRENOさん自身の人柄も映し出されている。そんな印象も、聴きながら感じていました。

確かに、自分の人間性も映し出されてるとは思います。


―このアルバムは、どういう狙いを持って制作したのでしょうか?

タイトルへ『UNIVERSE(宇宙)』と名付けたように、宇宙って未知の領域であり、無限の可能性を持った場じゃないですか。そこへ人間が飛び込んでくというのは大きな挑戦であり、人間が前進してゆく経験にもなること。自分自身も、未知の領域を持った音楽という宇宙の中へ飛び込もうということから「UNIVERSE」という言葉を掲げました。実際に収録した曲たちも、そのテーマ性とリンクさせているところはいろいろありますからね。


―アルバムの序盤は攻めな表情で始まり、4曲目のスローナンバー『apollo』を一つ目のブリッジにしながら、ラストへ向かうにつれての高揚も含め、いろんなドラマが『UNIVERSE』の中には描き出されていきます。

やはり、作品を作る以上。もちろん一曲一曲の中にもストーリー性を持ったドラマを作りたくなるんですよね。しかも、自分自身いろんな音楽性が好きだからこそ、攻めたロックな表情からブギーやバラードなど、「1stアルバムだからこそ多彩な面を見せちゃえ」みたいに表現していきました。


―『UNIVERSE』という作品を通し、RENOさんは「自らの感情を、いろんな面から楽曲に投影」もしてきましたよね。

そうなんです。一曲一曲に顔があるのは、作り終えて自分でも感じたことでした。どの曲にも生命が宿ってるじゃないですか。自分の中では、それぞれに個性の違う10人の子供が一気に生まれたような感覚なんです。


―楽曲制作を行うときには、先に「UNIVERSE」というテーマを決め、そこに似合う楽曲を求めたのでしょうか!?。それとも、思うがままに作りながら、結果的に『UNIVERSE』という形へ落ち着いたのでしょうか?

中心になったのは、アルバムの最後に収録した『Collision of Universe』。じつは、一番最初に生まれたのがこの曲なんです。「『Collision of Universe』を機軸にソロとして活動の幅を広げていきたい」と思っていたからこそ、アルバム『UNIVERSE』でもこの曲で締めくくったように、僕にとっても深い想いを持った楽曲になっています。


―そうか、この曲から、いろんな断片が分散され、一つ一つの独立した楽曲という表情になったわけですね。

そうなんです。それが一つ一つアルバムの中で集約されながら、最後に流れる『Collision of Universe』へと向かっていく物語を、ここには描いています。


“「わかりやすい音楽をわかりやすく伝えることが大事」。まさにゲーム音楽はアルバムとは対極の作り方。それも、すごく良い経験になりました”



―「UNIVERSE」というテーマ性が良いですね。

表現しやすいテーマ性でしたけど、いきなりスケール大きく出ちゃったから、次はどうしようかな!?という(笑)。ただ、「宇宙」というテーマを掲げたことで、「ロックな音楽と不思議なエフェクティブな効果も似合うんだ」など、いろんな発見が出来たのも嬉しかったことでした。


―激しかろうと、泣きの表情だろうが、どの楽曲でも大きく包み込んでゆくスケールを描き出していますよね。きっとそこがRENOさん自身の懐深い人間性なんだなと感じながら楽しんで聞いていました。

聞いてて大きく手を広げたくなるような音楽って言うんですか!?。自分で表現する音楽はもちろん、プライベートで聞く音楽でも「壮大さを感じる」スタイルが好きなんですよね。映画やゲームのサントラ盤が好きなのも、その壮大さを感じているからだと思います。


―ゲームと言えばRENOさん、ゲーム『ドラゴンボールZ 超究極武闘伝』のサウンドトラックも手がけていますよね。

あれは、すごく斬新な楽曲制作の経験になりました。と言うのも、どの楽曲も先にタイトルやテーマが決まっているんですね。たとえば『フリーザ最終形態』だったら「厳かな感じで」と漠然としたイメージが書いてあったり。中には、「あまりメロディーが出てこない平坦な感じで」という曲もあったり。自分の場合、メロディー有りきで楽曲を作ってきたからこそ、「メロディーがないような曲を作るにはどうすれば良いのか!?」と思案もすれば、どんな曲にも自分らしさを意識していきました。


――ゲーム音楽の場合、極端に短い分数の曲もいろいろ出てきますよね。

それこそジングル的な感じから、1曲15秒とかいろいろね。たとえば、互いに戦闘するキャラクターが決まり、バーサスでドーンと画面に出てきたときの音楽とか。そういう楽曲を制作するのも刺激的でした。とくに戦闘シーンで流れる音楽って一曲をずっとループしていくんですよ。だからエンディングは、かならずイントロに繋がる流れを持ったものにしなきゃいけない。音の入れ方にしても、音を鳴らすのがゲーム機器という筐体じゃないですか。だから、普通なら聞こえる音も掻き消されてしまう。しかも、その音楽の上で、叫び声轟かせながらバトルしていくわけだから、雰囲気を彩る隠し音を入れてもまったく意味がない。それよりも、「わかりやすい音楽をわかりやすく伝えることが大事」なこと。まさにアルバムとは対極の作り方。それも、すごく良い経験になりました。


“うちの母親の口から出てきたのが「この曲、モンゴルの大陸みたいだね」って言葉。「先に宇宙って説明したのに」と思いながら(笑)”



―ホント、いろんな経験を重ねていますよね。

全ての経験を、ソロ活動や、これから始めるユニット活動に還元していこうと思っています。


―ユニットというスタイルを取ったのも、よりフットワーク軽く活動していこうという意志の現れなのでしょうか?

むしろ、そこを強みにしていこうと思っています。楽曲や歌詞の制作に関しては、おそらく僕がメインで作っていくことになるでしょうから、そこで右往左往しないためにも、まずは、そのための経験の基盤を大事にすることでしたからね。


―もちろん、ソロ活動も平行していくわけですが。インスト音楽の楽しさをいかに広めていく かも大切な活動なのでしょうか?

もちろんです。僕が大事にしているのは「ギターが歌う」こと。そのコンセプトをこれからも大切にしながら伝えていこうと思っています。


―実際、RENOさんの作るインスト曲は、どれもスーッと耳に溶け込みやすい、心地好いBGMになる曲たちばかりですからね。

それで良いと思います。それこそ料理を作るときの背景や、車を運転するときの空間作り、勉強をしてるときのさりげないBGMなど、そこは自由に使っていただきたいんです。インスト音楽の場合、歌詞がないぶん、自分なりに自由にイマジネーションを広げて楽しめますからね。


―その通りだと思います。聞いた人なりに解釈が生まれるのが、インスト音楽の楽しさだと思います。

「面白いなぁ」と思ったのが、『Collision of Universe』をうちの母親に聞かせたときの反応。先に、「これは宇宙をテーマにした曲」と説明をしつつ、タイトルにもその言葉を入れてるわけじゃないですか。
 僕がこの曲でイメージしていたのが、隕石と隕石が衝突する様。とくにサビ部分は、隕石どうしがぶつかる瞬間をスローモーションに描いてるんですね。だけど、うちの母親の口から出てきたのが「この曲、モンゴルの大陸みたいだね」って言葉。「先に宇宙って説明したのに」と思いながら(笑)。でも、聞いた人それぞれに解釈が広がっていくのもインスト音楽の楽しさですからね。


―もしやタイトルは、その曲に込めた想いを紐解く鍵になるもの?

キーワードになっています。


―完成した1stアルバム『UNIVERSE』、今のRENOさんにとってどんな意味を持った作品になりましたか?

本当に僕の子供が生まれたような一枚です。同時に、プレイヤー及び作曲家RENOとしての名詞代わりになる一枚であり、今後の僕の人生に於いても大切なアルバムになりました。
ここには、ブルース音楽やハードロック、90年代J-POPまで、僕の音楽的なバックボーンがいろんな楽曲を通して詰め込まれています。そういう音楽へ触れる架け橋のような作品にもなっているんですね。そういう出会いに繋がる側面も『UNIVERSE』には表現できたと思っています。


―まさに…。

RENOがわかる作品です(笑)。

―では最後に、これから始まる東名阪ツアーへ向けてひと言お願いします。

もちろん、CD音源も一つの物語性を持っているように完成した一つの形ではありますけど。ライブでは、この曲順通りなのか、流れを組み替えて演奏するのか、そこは楽しみにしていて欲しいところ。ライブならではの臨場感を持った新たな世界観を描きますので、ぜひ「純粋に音だけで、こんなにも楽しめるものなんだ」「こんなにも物語性を持って楽しめるんだ」というのを体感しに来て欲しいですね。海外の方にも、iTunesで配信をしていくので、ぜひRENOの音楽に触れてください。音楽に、ましてインスト音楽なんで、さらに国境なく楽しめるはずですから。

source: jrock.tokyo

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