2016.9.29
ALL_CALL@高田馬場AREA
PS COMPANY PRESENTS『929 Peace & Smile Session 3MAN』
NAOKI、RENO、Kによるスリーマンライブに靖乃(Kra)がドラマーとして参加し、それぞれのステージでNAOKI(Vo&B.NAOKI/G.RENO/G.K/Dr.靖乃)、RENO(G.RENO/G.K/B.NAOKI/Dr.靖乃)、K(Vo&G.K/G.RENO/B.NAOKI/Dr.靖乃)と、3人がパートを入れ替えつつ参加する…そんな珍しい趣向のイベントがこの日行われた。
このバンドが「ALL_CALL」と名付けられた日にVifがインタビューを敢行してから2ヶ月、遂に4人のスペシャルなステージが披露されることとなった。
【K(Vo&G.K/G.RENO/B.NAOKI/Dr.靖乃)】 |
爆音のSEと共に靖乃、NAOKI、RENO、そしてこの日のトップバッターであるKが登場。「AREA、行けるか!」の咆哮と共に投下されたのは、彼の1stシングルのタイトル曲である「Rebirth」。KのヴォーカルにNAOKIのコーラスが絡み、楽曲は8月に行われた彼の1stライブとはまた違った表情を見せていく。さらに、閃光と共に拳が上がった「RAGING PAIN」、ハンドクラップに彩られた「HARMLESS」を間髪入れずに投下し、会場の熱をぐんぐん上げていった。
この日のMCでは、「ALL_CALLって名前だけどそんなに飲んでないですよね」というKの言葉をきっかけに、アルコール好きの4人が打合せと称してカラオケに行ったところ、20分だけのつもりが結果的に朝の5時までいたというエピソードが飛び出し、会場は爆笑の渦に包まれた。セットリストで次に歌ものが控えているKは、「いや、こういうテンションじゃないんだよ(笑)」と困ったように笑っていたが、切なくも美しいメロディの「Lily」が奏でられると、空気は一転。4人のサウンドによって楽曲がこんなにも表情を変え、新たな一面が引き出されることに驚かされる。グルーヴの中に、それぞれの個がしっかりと息づいている、そんな音が聴けるのはこのイベントならではの醍醐味なのだろう。
ラストは「頭、ふっ飛ばしてくれ!」と「Screaming for〜」を投下。ヘドバンの嵐を巻き起こし、疾走感あふれるステージを締めくくった。
【RENO(G.RENO/G.K/B.NAOKI/Dr.靖乃)】 |
続くステージでセンターに立ったのは、昨今の彼には珍しい濃い目のメイクでこの日に挑んだRENO。幕開けはソリッドなギターが印象的な「Sonic Attack」。彼が掲げる「ギターが歌う」というコンセプトに沿ってインストゥルメンタルのみで構成されたステージは、オーディエンスのOiコールと相まって実にパワフルにスタートを切った。
高らかに右手を上げた靖乃のカウントと共に「JOURNEY」が奏でられると、実に楽し気にプレイする4人の姿にオーディエンスから笑顔がこぼれる。この日のライブについて靖乃が「お互いに相手にゆだねられたり、解放できたりする部分があるから、緊張感と共にアットホームな感じがある」のだと聞かせてくれたが、まさに“ファミリー”ならではの温かさや互いへの信頼が随所に感じられた。
「メロディを奏でて一番景色が見える曲かなと思うので、歌詞はないですが心を込めて弾きたいと思います」、そう言って奏でられた「OCEAN」では、ピアノの音色とRENOのギター、そこに3人の音が美しく重なって、目の前にどこまでも広がる海原を描いて見せ、青いライトに包まれピリッと張り詰めた空気の中で奏でられた「Collision of Universe」、そしてラストは心浮き立つ「From the sky」を投下し、オーディエンスの手拍子に彩られたのびやかなサウンドと共に、全員が最高の笑顔でステージを終えた。
【NAOKI(Vo&B.NAOKI/G.RENO/G.K/Dr.靖乃)】 |
「お待たせ」
そんな一言でスタートしたNAOKIのステージは、ベースがうなるジャムセッションで幕を開けた。ソロパートが織り込まれ、4人の音を存分に堪能した後は、ガラリと趣向を変えてSIAM SHADEの懐かしの名曲「RAIN」、そして「LOVESICK~You Don’t Know~」をドロップ! NAOKIのパワフルなヴォーカルは圧巻だ。
MCでは、ALL_CALL結成後のエピソードが飛び出し、「話し合いのための4人のグループLINEが作られたものの、NAOKIがなかなか招待に応じなかった」という事実が明らかに。自らグループLINEを作り、招待したという靖乃が、「RENOとKはすぐに返事が来たのにNAOKIはちっとも反応がなかった!」と訴えると、NAOKIは「怖かったんだよね。この承認ボタンを押していいのかなって」と飄々と答え、客席に笑いの渦を巻き起こした。
すっかり空気を和ませた後は「みんなここからジャンプとかしちゃってね。俺の曲、行こうと思います!」と、ヘヴィなベースが印象的な「どうかしてるぜ」を投下。続く「花園ラビリンス」では、真っ赤なライトを背にギター陣とオーディエンスがコーラスを響かせ、「いい笑顔してるよ」という言葉と共にドロップされたラストの「渇愛」までを一気に駆け抜けると、会場は大きな拍手に包まれた。
本来ならば、ここでメンバーがステージから捌けてからのアンコール…となるはずだが、この日はステージに4人がいる状態でそのままアンコールに突入するという異例の展開に。こんなことができるのも、ALL_CALLならではだ。ここまで終始笑いの絶えないMCを展開していた4人だが、NAOKIからこんな言葉も伝えられた。
「これからもっともっと我々には積み上げていくものがあると思うんです。僕たちは当たり前にここに立っているわけじゃない。皆さんの支えがあってこうやってライブができるのは本当にありがたいことです。ステージに立ちたくても立てない人もいる。我々の積み重ねてきたものがこうやって音となって皆さんに届いているのは本当にすごいことだと思う」
ソロアーティストとして活動している彼らだからこそ抱く思いや、オーディエンスへの心からの感謝が語られ、「我々が好きな曲、届けたい曲をやりたいと思います」とレベッカの「ラブ イズ Cash」、そしてこの日のラストナンバーとしてBOØWYの「Dreamin’」が奏でられ、スペシャルライブは幕を閉じた。
インタビューでNAOKIが「記憶に残るハッピーな空間が作れたら」と言っていたが、その言葉通り、笑顔に満ちた幸せな時間となったことをここに記しておきたい。今回が初となったALL_CALLのライブだが、次なる展開については、「今日のライブで掴むものがあれば次に繋がると思う。でも、オーディエンスの声がないと我々は動けませんからね。レスポンスは大事ですよ!」(NAOKI)、「好評だったらまたやれるかも!?ってことで!」(RENO)という答えをもらった。
“ファミリー”である4人が生み出したサウンドの化学変化。近い将来、再びステージで観られることを心から楽しみにしている。
◆セットリスト◆
【K(Vo&G.K/G.RENO/B.NAOKI/Dr.靖乃)】
01.Rebirth
02.RAGING PAIN
03.HARMLESS
04.Lily
05.Screaming for〜
【RENO(G.RENO/G.K/B.NAOKI/Dr.靖乃)】
01.Sonic Attack
02.JOURNEY
03.OCEAN
04.Collision of Universe
05.From the sky
【NAOKI(Vo&B.NAOKI/G.RENO/G.K/Dr.靖乃)】
01.RAIN
02.LOVESICK~You Don’t Know~
03.どうかしてるぜ
04.花園ラビリンス
05.渇愛
EN
01.ラブ イズ Cash
02.Dreamin’
(文・後藤るつ子)
source: vif-music.com
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